エストレヤで北海道をソロツーリングした体験談

昔の写真を整理していたら、若い頃に毎年やっていた北海道ソロツーリングのものが出てきたのでブログにまとめてみました。

北海道を感じたい方、エストレヤの本気を知りたい方向け。

エストレヤで走る北海道の西海岸線「追分ソーランライン」

北海道浜益町

札幌を出発し、石狩市経由で浜益町へ出ます。

そこは既に海岸沿い。長い長い北海道西海岸線の旅が始まりました。

 

この場所はちょうど浜益の街を見つけて進入しようとしているところ。

北海道は本州のようにどこまでも町並みが続くわけではありません。

大自然の中を走っていると時々街が現れ、やがて街が途切れるとまた大自然が続くというイメージです。

 

基本的に通常は60km/h+αで走り、人里に入った時は40km/hに落とすというような走り方をするといいです。

エストレヤであれば、40km/hは5速のままで大丈夫です。

エンジンが低回転になり、トコントコンと震える様子を感じとりながら街並みを走り抜けるのは気持ちがいいですよ。

 

北海道の海岸線

走ってきた道を振り返って撮影。

詳しい場所は忘れてしまいましたが、もうかなり北の方まで来ていると思います。

 

なぜそう思うかって?

左に写っている植物の丈が低いんですよ。

 

ご存じの通り、植物というものは気温に支配された存在です。

その土地その土地の気候に合わせた草や木が生えています。

 

経験則ですが、北海道では北上すればするほど植物の丈が低くなっていると感じるんです。

遠くの山を眺めると、道南や札幌圏では広葉樹が生い茂ってブロッコリーのようになっています。

それが道北に入るにつれて木そのものが減り芝生の丘のような山に変わっていきます。

 

それこそロシアぐらいまで行ってしまうとコケ植物だらけのツンドラ地帯ですよね。

やっぱり植物は寒い土地になるにつれて草丈が低くなるんじゃないかなと思います。

 

北海道小平道の駅

小平の道の駅。「鰊番屋」と書かれています。

 

鰊とは「にしん」。

北海道の西側沿岸一帯の歴史はにしんの歴史でもあります。

 

本州から連なる暖流が北海道西側沿岸まで届き、そこにいる鰊の群れをいただくために沿岸各地に街が誕生していきました。

にしんは保存がきくように加工され、本州でも重用された売れ筋の食品だったそうです。

当然にしん漁は莫大な富を生み、北海道西側沿岸の街は大いに潤いました。

 

が、近年そのにしんがぱったりといなくなってしまい、沿岸の街はどこも衰退しています。

この道の駅「鰊番屋」は、にしん漁が繁栄していた当時の記録を今に残す郷土資料館の役割も担っているわけです。

 

なんか全然バイクの話になっていませんね。

まぁソロツーリングなんてそんなもんです。

興味の赴くままに思考を張り巡らせながらただただのんびり走るのみ。

口笛なんかも吹きながら。

 

エストレヤ

道の駅の駐車場に停めた愛車エストレヤ。

何故売ってしまったんだろう。

等身大の旅ができる素敵なバイクです。

 

バイク乗りの聖地サロベツ原野&オトンルイ風力発電所

オトンルイ風力発電所

天塩町を抜けた先にはサロベツ原野が広がっています。

バイク乗りの聖地の一つであるサロベツ原野は、見渡す限りの草原と終わりの見えない一本道がひたすら続く旅情感あふれるスポットです。

 

サロベツ原野から見た利尻島この日は朝からのんびりと走り続け、サロベツ原野にたどり着いたのは午後のこと。

少しずつ西の空に色がつきはじめ、肌寒くなってきていたのを覚えています。

この旅はたしか8月でしたが、道北まで来ると朝と夜はひんやりとした空気が体に当たるのを感じました。

 

遠くに見えるのは利尻富士。

利尻島は飛行機を使った札幌との直通ルートがあるため離島の中では暮らしやすいパラダイスだと教員仲間に自慢されたことがあります。

 

サロベツ原野の立て看板

現在位置と利尻島礼文島の位置関係を説明している看板。

しばらくエストレヤを停めて遠くに見える島を眺めていました。

 

この看板のウラでおしっこしたのは秘密です。

 

オトンルイ風力発電所

オトンルイ風力発電所です。

海からの西風を受け止めるような配置で果てしなく並んでいます。

 

筆者は北海道生まれの北海道育ちですが、それでもこの光景には驚きました。

自分の生きてきた日本、自分の生きてきた北海道内では絶対にお目にかかることのできない、自分の知らない世界がそこにはありました。

エストレヤに乗って旅する自分がまるで物語の主人公として異世界に迷い込んだかのような感覚でした。

 

オロロンライン終点

夕日の丘パーキング。果てしない一本道が終わる場所です。

ここからは海岸沿いを離れ、稚内の市街地へ向けて進入していくことになります。

 

これまでに名前が出てきた浜益、小平、天塩とは違い、稚内市は大きな都市。

非日常感あふれる北海道ツーリング気分から一旦離れ、稚内の食事と街並みを楽しみながら旅の疲れをとりました。

 

あ、違いますね。稚内市内でも一つ非日常を感じたことがありました。

道路標示(通称「青看板」)です。

一つ一つの表示にロシア語が併記されていました。

英語や中国語、韓国語の併記は他の場所でもよく見られますが、ロシア語はすごいですね。

日本の北の果てに自分が立っているんだという事実を実感できた瞬間でした。

 

オロロンラインではありませんがついでにこの写真もどうぞ。

宗谷丘陵

宗谷丘陵です。稚内から少しバイクで走ると行くことができます。

寒冷地植物が見渡す限りに広がっている様子を丘の上から見下ろすのは文章ではとても表せない素晴らしさです。

 

宗谷丘陵はほどよいワインディングが続く山道でもあり、バイクを運転する楽しさも存分に味わうことができます。

 

苫小牧や札幌から海岸線を北上してきた人は稚内到着でたぶん精一杯です。

なので稚内で宿をとった次の日にゆっくりと宗谷丘陵などの道北の道をぐるぐる回るのがオススメですね。

 

エストレヤの旅バイクとしての性能

結論から言えば最高です。

 

まずは乗り心地。

エンジン特性が低回転型であり、なおかつロングストローク型でもあるエストレヤ。

早めに高いギヤへ入れてしまい低回転を維持することで、ロングストローク特有のエンジンの振動がライダーの体に伝わります。

 

北海道の長〜い一本道を安全なスピードで鼓動を感じながら走り抜ける。

高速道路などの高速走行では車体がバラバラになりそうなエストレヤですが、北海道ツーリングのような下道中心の長旅であれば、そのポテンシャルを最大限に生かしきることができます。

 

また、燃費が良いのもいいですね。

筆者はこの北海道ツーリングの時、エストレヤでリッター30kmオーバーを達成しました。

北海道ツーリングではガソリンスタンドが少なく、ガス欠の恐怖を感じながらの旅になることが多いです。

エストレヤであれば、そういった心配もなくのんびりと旅を楽しむことができますよ。

 

まとめ「エストレヤのようなのんびりバイクは北海道と相性よし」

  • エストレヤの得意速度は下道の旅にピッタリ
  • やさしい鼓動が果てしない北海道の道路に合う
  • 燃費がよくガス欠に強い

「250ccの単気筒エンジンでは北海道ツーリングのような長旅は辛いのでは?」

 

そういった質問をされたことがありますが、とんでもない!

エストレヤのようなのんびりとしたバイクこそが、下道中心の旅となる北海道ツーリングにはピッタリなんです。

 

まぁ、とは言ってもバイクの世界は自由です。

是非好きなバイクで一度北海道の道路を走ってみてください。

きっと素敵な刺激を受けることができますよ。

エストレヤインプレ。250ccの枠を超えた旅バイクの魅力
4台のバイク遍歴の中で、筆者が最も愛した250ccのクラシックバイクのレビューです。穏やかに旅をしたい人向け。

コメント