こんにちは。
このページは普通に教え方や学び方を調べていてたどり着くような場所ではありません。この記事を書いて以来、ここを訪れるのは何かしらネガティブなワードでGoogle検索した人ばかりです。
そのような方々に対して、心労から教員を退職した立場である自分が何を語れるのか?
色々考えた結果自分が伝えたいと思ったことを、4パターンの読者の方を想像してそれぞれメッセージにしました。
結局のところ教員の悩みなんてものは誰にも理解されないものです。
でもせめてここで自分がこれから話す内容が、皆さんの気を少しでも楽にするものであってくれればと思います。
教員の世界から最終的に逃げ出した人間の話を、ちょっとだけ聞いていってください。
子どもの相手が辛い、担任を続ける自信がない
子どもとの関係は改善できる
今回紹介する4パターンの中で、一番ポジティブなメッセージを送ります。
今まではきっと知らないことだらけだったんですよ。
担任のやり方とか、子供の心の汲み方とか。
一つ一つ学んで試しての繰り返しをしていけば、子供との関係修復はまだ間に合うかもしれないんです。
子どもや学級に関する悩みをもつ人の場合、自分は相談を受けると大体「教員を続けた方がいいよ」とアドバイスしています。
うまくいかない原因は知識と技術の不足
子どもの相手がうまくいかない原因は
- 知識不足
- 技術不足
この2つです。
- 安定していた学級が進級による担任交代でボロボロになった
- 逆にボロボロの学級が担任交代で息を吹き返した
- 担任の時は授業が成立しないのに専科の授業だけは落ち着く
こういった現象は、教員の知識や技術の差からくるものです。
「自分は性格が悪くて…」とか、
「自分は教師にふさわしくない」とか、
そんなの関係ありません。
全ては知識と技術の不足からくる問題です。
知識と技術を一つ一つ身につけていけばいいんですよ。
本から知識を得て実践によって技術にする
知識と技術の習得方法は手っ取り早いです。
- 悩みに対応した本を買う
- 読んだら次の日に即実践する
本を読んでその内容を次の日に実践するんです。
読んで実践読んで実践。その繰り返しです。
同じ本を何度も読んで、著者の考え方が自分の考え方になるまで体に染み込ませましょう。
もちろん、ただ技術をつまみ食いするのではなく。
自分の中に教育哲学を作るレベルまで、一冊の本を読み込みましょう。
人に聞くよりも本です。特に小学校の先生は本ですよ。
例を出しますね。
「誰も自分の話を聞いてくれない、したがってくれない」
という悩みがあったとします。
子供の姿を見てみないと理由はわかりませんが、予想できるのは「信頼関係の欠如」か「話す技術の不足」。
信頼関係が無いのは一つ一つの約束や期待を裏切り続けた結果。
話す技術というのは、聞く側への配慮となる一つ一つの小さな心がけのことです。
これって大学では学びませんでしたよね。
でも本にはちゃんと書いてあります。
学生時代に嫌々読まされたものと違い、心から困った時に読む本というのは効果絶大ですよ。
スルスルと自分の体に知識技術がしみ込んでいきます。
教員が成長する瞬間というのは本当に困ったときなのだと思います。
ちなみに今出した例のような悩みを持っているのであれば、向山洋一先生一派である「TOSS」系の本が特効薬になるでしょう。
教員の世界ではTOSSに対して賛否両論があります。ですが、統率力の習得に関しては初心者を必ず助けてくれる本だと自分は思います。
この辺がいいです。読んで即実践です。
枕元に置いて寝返りで踏み潰すぐらいに読み込みましょう。
ボロボロになった信頼関係も、一つ一つ成功を積み上げれば立ち直っていけますよ。
発達障害に関する知識は必須です
最近では軽度発達障害の子の対応に追われて学級が崩れていくケースもよくあります。
自分も年下の先生からクラスをかき回す子についての愚痴を聞かされたことがありました。
「本当に参ってるんだなぁ」と思い、とりあえず慰めた記憶があります。
でもそれも知識が解決してくれます。
発達障害について学べばいいんです。
好きで悪いことをする子はいません。
全ての行動をメッセージと捉えて一つ一つ対応する意識と知識があればいいんですよ。
その先生が言った愚痴は、やはり口に出すべきではなかったんです。
困った次の瞬間本を買って勉強するべきだったんですよ。
教員は子供の悪口だけは言っちゃいけません。顔に出ます。
問題行動、発達障害について実践から学ぶのであればこの一冊が本当に素敵です。
優しい先生になりたい人向け。
自分がその年下の先生に貸した本でもあります。
その先生は後々、問題行動を起こしていた子の最大の理解者になりました。
※こんなときは辛さから逃げてもいいと思います
人生の歩き方は教員だけではありません。次の2つの状況が見えているようであれば、休職や退職を選ぶのも1つだと思います。
学級の児童の過半数が敵に回った
集団心理の話です。
学級の荒れは、担任であるあなたを信頼する層が過半数を下回ってしまった瞬間、取り返しがつかなくなります。
子ども達は人間です。人は最終的に多数派に流されるものなのだと思います。
もしも教室で自分に向けられる目のほとんどが光を失った鋭いものになってしまっていたら。
その状況から担任交代以外の方法で劇的な改善を見たことはありません。
休んでもいいと思います。
日常の思考の中に死が浮かぶ
悩んでいる時は色々な考えが浮かんでくるもの。
もしあなたの頭の中に少しでも死が浮かぶようならもうアウトです。
早く精神科へ行ってください。
一度ボロボロになってしまうと後の人生に響きます。
こんな文章を書いている自分も、そんな状態に陥り教員を辞めました。
自分の場合その原因は子どもや保護者ではありませんでしたが、こういう精神状態になってしまうと我慢しても改善はしません。
保護者の対応が辛い、信頼されていない
保護者との関係修復は可能、だが時間はかかる
保護者との関係は一度こじれると大変です。それに拡散も早い。
保護者対応に悩む先生方にはお疲れ様ですとしか言いようがありません。
子どもに起因する悩みと比べると解決までの道は長いです。
以下、方法論をつらつらとお伝えしますが、関係修復の働きかけをするにあたっては自分の心身の変調に気を配りながら進めてください。
保護者との関係改善は子どもから
「子供の声は親の声、親の声は子供の声」
という格言がこの悩みに対する道しるべになります。
保護者の相手が辛い時ほど、子供達との信頼関係を大切にしましょう。
子供達に安心感と楽しさをしっかりと保証してあげれば、子供達は家に帰ってから担任のことを好意的に話します。
それを家族が毎日聞き続けていれば、自然と保護者は担任を認めてくれるようになるんですよ。
難しい保護者に対して過度の親切対応は必要ない
保護者対応については職員室でも色々と基本的なマナーを教わっているとおもいます。
そういう最低限のマナーを守ればもうそこまででいいんですよ。
過度に恭しく対応する必要はないんです。相手も大人ですから。
肝心なのは子供達に安心と楽しさを与え続けることです。
何か担任が明らかなミスをしてしまった場合も、しっかり謝ってゼロにしちゃえばいいんです。
そしてまた子供達との信頼関係に注力し続けることで保護者との信頼関係は維持されますよ。
子どもの姿を通しての関係改善が難しい2つの例外
ただし例外が二つあります。
一つは子供と保護者の関係が冷え切っている、共有する時間が物理的に無いなどの理由で親子の会話が全く無い場合。
もう一つは保護者の方が精神疾患を抱えている場合。
これらが見え隠れしているようであれば、もう担任1人ではもちろんのこと、学校単体で解決できる問題でもありません。
外部のヘルプが必要です。
職員室の上司、パワハラ、人間関係が辛い
どうにもなりません。
とれる選択肢は3つ。
新年度まで耐えるか、休職するか、教員を辞めるかです。
臨時採用教員の場合は耐えるか辞めるかの二択ですね。
自身の体に明らかな異変が起きているときは、おとなしく逃げましょう。
人生の歩き方はほかにいくらでもあります。
自分はこの問題に直面して正採用教員を辞めました。
子供の問題、保護者の問題とは違い、そこに解決策は最後まで見つかりませんでした。
職員室でのパワハラに耐える方法はどの教育書にも載っていませんでした。
【追記】
昔の同僚が同じように管理職からのパワハラを受けました。その際、その同僚は組合に加入し、受けたパワハラを組合の上層部に報告しました。
すると組合の専従さんが職場に乗り込んできて管理職と談判。それ以来パワハラが減ったそうです。
決め手となったのはパワハラの内容を逐一記録にとっていたこと。全ての組合すべての職場がこう上手くいくわけではないと思いますが、一つの解決の可能性として紹介しました。
臨時採用を続けているが、未来が見えない
「採用試験になかなか受からない」
「教員を続ける自信がない」
臨時採用教員を続ける中で、未来に不安を抱く方も多いことと思います。自分もそうでした。
夜や休日に他の業種の勉強をしてみては
そんな方は、とりあえず臨時採用を続ける一方で、余暇を違う業種の勉強にあててみてはどうでしょうか。
何でもいいんですが、特にこれといったものが無いのであればオススメはITスキルや英会話。どちらも成長産業関連です。
かじっておけば中途でも何の問題もなく転職できますよ。
例えば自分の場合、こうしてブログを書くのが趣味だったことから一つ一つ道がつながり、仕事としてブログを書く「Webライター」として現在も生きのびています。
人知れず、新しい世界が生まれようとしている
この時代はまさかの革命の真っ最中です。
長い歴史の中では、弥生時代など農業革命が人口爆発を生み、イギリスに始まる産業革命が世界をモノで溢れ返らせました。
そして今、歴史上に現れた第三の革命、インターネット率いる情報革命が人類の価値観を現在進行形でひっくり返しています。
今まで最速の文字情報入手手段だった新聞は、ネットメディアにその座を奪われました。
就職戦線の勝ち組筆頭だった銀行からは優秀な若者が次々と逃げ出しています。
新しい世界を再構築する担い手となるIT産業、距離が無くなった外国といざコミニュケーションをとる英会話スキル。
これらはいずれもこの先の世界で引く手数多の状態になります。
その辺の田舎町でも職種を変えれば求人需要は爆発している
例えば日本の田舎町のお祭りをITスキルでウェブサイトにして英文ページも作る。
そのページを見て田舎町を訪れた外国人の方を、今度は英会話スキルをもつ人間がコミニュケーションとっていくんです。
今まで全く手が付けられていなかった層への広告効果です。効果絶大ですよ。
新しい時代の新しい仕事です。
教員を続けている自分が想像できないのであれば、そういった成長産業の世界に飛び込んでみるのがいいと思います。
いきなり飛び込んでもいいですし、夜の自由な時間を勉強に当てて知識をかじってから転職するのもいいでしょう。
もちろん他にやりたいことがあるのならばそれでいいですね。
終わりに。
教員の仕事に強い魅力を感じていて体に不調もきたしていないのであれば、是非このまま仕事を楽しんでほしいです。
ただ、我慢を重ねて体に何かがあってからでは遅い。臨時採用教員をやっていて何か無理を感じるのであれば、何か別の道を探していいと思いますよ。
教員の世界にいると、どうしても「自分は教員を続けるしかない」という心境に陥ります。ですが、世界は思っているよりもずっと広いんです。
世の流れを眺めて、本当に自分が幸せに生きられる道を探していきましょう。
もちろんじっくり考えて幸せを求めた結果が教職なのであればそれでいいんですが。
自分は正採用教員を30代で辞めました。今も幸せに生きています。
2019.12.3追記。
少し前から臨時採用教員として再び働き始めました。Webライターの仕事も楽しかったのですが、妻の急な退職に伴い、安定した高収入を一人で作る必要が出たからです。
正直、まともに働けるのか、自分の体と心が教員社会に耐えうるレベルまで立ち直っているのか。わかりません。
とりあえずお金のためにやれるところまで働くつもりです。
教員の仕事は大好きでした。でも職員室のパワハラや根回し文化は嫌いだった。今度は少しでも大好きな時間が多くありますように。
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