胆嚢ドレナージのための入院を2週間頑張ったあと一時退院し、自分は手術日を待つために自宅で待機していました。
そして1週間後、いよいよ手術入院をする日が来ました。
このページでは、
- 手術入院で前日当日にやった準備
- 手術中の記憶
- 手術後の痛み方や回復のしかた
を話題にします。
胆嚢摘出手術の前日準備
翌日の手術に備えて知識と心と体の準備をしました。
消化器外科病棟へ入院
消化器外科病棟へ入院しました。
内科の病棟とは違い、入院患者が目まぐるしく入れかわる、刹那的な雰囲気を醸し出す病棟でした。
担当看護師は新人の女の子で、若い患者が珍しいという理由でやたらと話しかけてくれました。
夕方に担当外科医の挨拶
昼に入院し、看護師と話したりスマホをいじったりしながらしばらく暇を潰していると、夕方になって手術を担当する外科医達が挨拶に来ました。
外科医は全部で5人か6人いたと思います。その中には前回の退院の日に手術プランを説明してくれたあの外科医もいました。
この日説明を進めたのは若い外科医。陽気な20代という感じの先生でした。
今回の手術はこの人がメインで執刀するとのこと。
説明の最後に、ベテラン外科医(例の人)が、
「執刀は1人ではなく、我々チームで進めていきますから安心してください。」
と言いました。責任を分散させて執刀医の負担を軽くする工夫の一つなのかなぁと思いました。どの業界も責任追求訴訟社会で大変ですね。
安心してくれと言われなくたって、自分は最初からこの病院を信頼し続けていましたよ。いい病院でした。
夜に担当麻酔科医による問診と説明
夜の8時ごろ、手術を担当する麻酔科医が手術の説明に来ました。
手術直後で疲れの見えるおじさんです。それでも笑顔で対応してくれました。
説明の内容は、
- 過去に全身麻酔をしたことがあるかの確認
- 全身麻酔の方法
- 麻酔の後にどのような痛みが出てくるか
- 全身麻酔のリスク
- 食事の制限について
だったと思います。
麻酔後の痛みについて、前もって伝えてくれるのはありがたかったです。
痛みに弱い自分でも、意味不明な痛みと予想できている痛みとでは安心度が全然違います。
全身麻酔のリスクについては、稀に肺炎や後遺症等が起きる可能性があるという話でした。
とは言っても、そもそも医療行為のほとんどはリスクや副作用を伴うものです。
いちいちリスクを気にしていては治療になりません。
とにかく自分を安心させようとしてくれている麻酔科医のおじさんに対し、自分もできるだけ安心した顔を見せるように心がけました。
胆嚢摘出手術の体験談
手術自体はあっと言う間に終わりました。特に苦痛はありませんでした。
下剤を飲んで全てを出す
当日、午前中に下剤を飲みました。
そしてすっからかんになるまでアレを出します。
そんなに辛くはなかったです。
胆嚢摘出手術が始まる昼の一時まで待機
午後の手術ということで、予定時刻まで待機でした。
すると、予定時刻より40分早く担当看護師が訪ねてきました。少し予定が早まったので準備しますとのこと。
手術着に着替えて、看護師と一緒に手術室へ向かいました。
手術室まで徒歩で移動
手術室までの移動は病院によって違うようです。この病院は患者自身が歩いて手術室へ向かうというものでした。なぜ徒歩なのか、なぜ徒歩じゃない所もあるのか、その辺は聞きそびれました。気になりますね。
手術室へ入りまな板に乗る
歩いていると、景色が変わり特別な空間へ入った感じがしました。手術室です。
手術台に乗り、手術室専属の看護師達がテキパキと準備を進めていく様子を眺めていました。
やがて、麻酔科医の先生が登場し、本格的な手術の準備が始まりました。
全身麻酔の感覚
この辺が気になる人は多いと思います。ですがほとんど語れません。何せ記憶がないので。あったことはできるだけ詳しく書きました。
全身麻酔の瞬間は痛くない
麻酔科医の先生が、点滴のルートを左腕に刺しました。
自分は血管が細いうえに奥に埋まっていてなかなか点滴や採血の針が刺さらない人間です。
今回の騒動でも多くの看護師さん達に針を刺されてきましたが、一発で刺さったことはありませんでした。
が、麻酔科医の先生はこの時数秒で位置を決めて一発で成功させました。凄い。
そして、いよいよ点滴のルートから麻酔が体内に入ってきました。
感覚としては、造影剤が体の中に入った時と似た感覚です。体の中を温かいものが巡っていく感じです。
全身麻酔が始まって数秒で意識がなくなる
麻酔が血管を巡り始めたのを感じ取ってから、数秒の間は喋ることができました。
その間に自分が発した言葉は、
「造影剤に似ていますね」
「あーきたきた、、」
「あとはよろしくお願いします」
の3つでした。最後の言葉に対して、麻酔科医の先生と看護師さんたちが返事をしたのを覚えています。
その後は記憶がありません。
全身麻酔から覚めたら廊下を走るベッドの上
目が覚めたら、自分はベッドの上に乗せられて、廊下を移動していました。
体を動かしたら絶対に痛いのはわかりきっていたので、動く気にもなりませんでした。
側には執刀した若い外科医と麻酔科医がいて、無事に腹腔鏡手術を選択して成功できたと伝えてくれました。
腹腔鏡で始めても、胆嚢の状態が悪ければ開腹手術に移行すると言われていたので、これにはホッとしました。
胆嚢摘出手術後の入院生活と痛み
術後の生活で感じたのは、腹を切ったという事実と人間のもつ回復力でした。
腹腔鏡手術でも手術後の傷は痛い
腹筋に力を入れると痛みます。じんわりした痛みではなく、ビクっとくる強い痛みです。
腹腔鏡手術ではヘソとその周囲3箇所に穴を開けるのですが、特にヘソの辺りに痛みを感じました。
腹筋が使えないということで、日常のちょっとした動作がことごとく制限されます。
人間の動作は腹筋に依存しているものが多いことを思い知らされました。
おしっこは尿道に刺さったカテーテルから
おしっこは勝手に出る
手術が終わって目が覚めた時には既に尿道にカテーテルが刺しこまれていました。
何の力を入れなくとも、おしっこが勝手に流れ出て横にある瓶に溜まっていきます。
動くと痛い
このカテーテル、入ってる場所が場所なだけに、ちょっとでも動くと痛いんですよ。
これのせいで、ちょっと足を動かしたり体勢を変えたりということが難しかったです。腹筋も使えないですし。
できればもう体験したくない痛みですね。
ちなみにおしっこが流れ出る時には痛みは全く感じません。
看護師さんが刺さってるところを拭いてくれた
カテーテルが刺さっている部分を朝に看護師さんが拭いてくれました。よりによって若い女性です。
色々な意味できわどい体験でしたが、恥ずかしさは全く感じませんでした。それどころじゃありませんでしたから。
何せちょっとでも動かすと痛いその部位を拭かれるんです。痛みへの恐怖で一杯一杯でした。
尿道のカテーテルを抜く時の痛み
手術翌日の夕方、看護師さんからカテーテルを抜きますか?と聞かれて「抜いてください」と即答しました。
膀胱内に広がっているバルーンの空気を抜いた後、カテーテルがズルズルと抜かれていきました。
抜き始めてから完全に抜けるまでは2秒もなかったと思います。
一瞬の出来事だったので、痛みはさほど感じませんでした。
胆嚢摘出手術後の食事は翌日から通常食
胆嚢ドレナージ入院の時のような無脂肪食ではなく、通常の食事でした。
手術翌日から3食しっかり用意され、思う存分食べることができました。
どんどん回復しなさい!胆嚢はもう無いから脂肪もOKだ!という調理のおばちゃんからのメッセージを受け取った気がしました。
手術後は笑うと腹筋が痛い。くしゃみするともっと痛い。
腹筋が崩壊しているので、笑うと激痛が走ります。
くしゃみなんかしようものなら地獄の業火に焼かれたような心地になります。
手術後ってくしゃみが出るんです。
全身麻酔中は呼吸が止まっているため、肺に色々と細工をするらしいんです。その関係で、手術直後は何度かくしゃみが出るので我慢しないようにと言われます。
拷問ですね。
腹筋が痛いから老人のように前かがみで歩く
手術から2日が経った日から、歩行訓練が始まりました。
お腹をつっぱらせると痛いので、お腹をかがめて歩きます。
手すりを使いながら腰を曲げて歩く姿は興奮した男子中学生足腰の不自由なお年寄りのようでした。病棟内を一周歩いただけで疲れました。
胆嚢摘出手術後の回復について(腹腔鏡手術の場合)
凄いですよ。人間の回復力。
胆嚢摘出手術翌日は重傷患者状態
術後1日目は腹筋にちょっとでも力を入れると痛むので、何もできません。
ベッドのリクライニング機能をフルに生かしてなんとか体を起こす感じです。
尿道のカテーテルも痛みを発してくるので、本当に身動きがとれません。
寝て起きると腹筋の回復が進んでいる
2日目は1日目と比べ状態が全然違いました。
腹筋の痛みが和らいでいて、「ここまでなら動かせる」という範囲が広がっているんです。
医者からも看護師からもどんどん動いてくださいと言われていたので、できるだけ痛みのない範囲で体を動かしました。
胆嚢摘出手術後3日目で病棟内を歩き回る
3日目はベッドから降りることができました。
お腹を伸ばすことはまだできませんが、ゆっくりなら歩けました。
本当に寝て起きると体が回復しているんです。凄いですね、人間の回復力。
胆嚢摘出手術後5日目に退院
まだ痛むんだけどいいんだろうかと不安はありましたが、外科医の指示で退院しました。
重いものは持たないように、でもたくさん動いてくださいというアドバイスを守りながら、自宅で休みながら職場への復帰を目指しました。
退院後は外科外来の日まで自宅療養
自宅での生活は案外なんとかなりましたが、やはり腹筋を伸ばすと痛みます。
1週間後にある外科外来の日までの間、前かがみで家の中をウロウロする生活が続きました。