2017年の春、急性胆嚢炎という大きな病気を経験しました。放置すれば死ぬ可能性もある病気です。
そんな自分の胆嚢炎治療の体験を、病気発見→治療→入院→手術→完治後という5つの段階に分けて書き残しました。
検索でこのブログを見つけてくれた胆嚢炎患者の方に、自分の体験と記憶を少しでも多くお渡しできればと思って書いています。
このページでは治療の流れをざーっと説明しました。
それぞれの大見出しの最後にある「あわせて読みたい」という部分を選べば、より詳しいものが読めます。
体調悪化から急性胆嚢炎診断までの体験談
下がらない微熱と時々起きる腹部の激痛。循環器内科と消化器内科を受診しても原因はなかなか判明しませんでした。
最終的に胆嚢炎とわかったのは、ひどい激痛で救急搬送された際の宿直医師の気づきからです。
胆嚢炎診断前の自覚症状
- 胃部の痛み(忘れた頃に繰り返す)
- 微熱(37.0〜38.2℃が1ヶ月以上続く)
- 顔色が悪い
胆嚢炎と診断されたきっかけ
- 上腹部に激痛が走る
- 救急車で地元病院へ搬送
- CT検査の結果から胆嚢の腫れが見つかる
胆嚢炎は手術が必要な病気
- 治療は基本的に手術による摘出
- 緊急手術は難しくまずは入院
- 放置すると死に至る病
入院してすぐに経皮経肝胆嚢ドレナージを受ける
田舎の総合病院では胆嚢炎の治療ができませんでした。設備が足りないのです。
そのため、救急車で一時間半かけて隣町の総合病院へ搬送されました。
そこでは即入院との判断。一刻を争うとのことで、さっそく経皮経肝胆嚢ドレナージという処置を受けました。
胆嚢ドレナージを受けるまで
- 大病院へ搬送される
- 家族が処置の同意を求められる
胆嚢ドレナージとは
- 脇腹にチューブを刺し肝臓経由で胆嚢まで貫通させる
- 胆嚢に溜まった胆汁を体外に出す
- 局所麻酔で行う
胆嚢ドレナージ処置を受けた感想
- 最初は痛くない
- 途中からものすごい激痛
- 処置後は体を動かすと痛い
12日間の入院生活。胆嚢炎の内科的治療
胆嚢内の古い胆汁を取り除くことで、その後の手術の難易度を下げることができます。そのためのドレナージです。
胆嚢ドレナージは安静な状態でいることが必要なので、入院生活を12日間続けました。
常に体にチューブが刺さっている状態での入院生活でしたので、さすがに色々不都合はありました。
胆嚢炎入院治療の方針
- 腹腔鏡手術の選択を目指す
- 胆嚢の腫れをおさえる必要がある
- 胆嚢内の古い胆汁を無くす
- 抗生物質で胆嚢の炎症をおさえる
入院中に困ったこと
- 右脇腹のチューブと左手の点滴ルートが動きを制限する
- 体を動かすと痛む(特に入院初期)
- スマホの通信量がオーバーする
胆嚢ドレナージ中の食事
- 入院初期は絶食
- 数日後から病院食
- 食事内容は無脂肪食(一食300kcal程度)
腹腔鏡手術による胆嚢摘出。全身麻酔を初体験
胆嚢ドレナージを頑張った甲斐あって、無事リスクの低い腹腔鏡手術をやってもらえました。
全身麻酔だったので手術中の記憶はありませんが、手術後の生活や痛みなどを書きました。
腹腔鏡手術とは
- お腹をメスで大きく切らない手術
- ヘソと腹部数カ所に穴を開け、マジックハンドで手術する
- 術後の治りが早いのがメリット
全身麻酔を体験
- 点滴ルートから温かい液体が広がる感覚
- 導入後数秒は意識があった
- 目が覚めたら手術終了後だった
胆嚢摘出手術後の入院生活
- わずかでも動くと痛い
- 尿道カテーテルも動くと痛い
- 寝るたびに体が劇的に回復する
胆嚢炎は無事完治。その後の生活と下痢について
↑手術直後にこういう本を読むと腹筋に激痛が走ります。
胆嚢炎は無事に完治しました。
体験談5本目の内容はその後の生活。完治直後、完治半年後、完治1年後の様子を気づいた範囲で書きました。
退院直後の生活
- 重いものを持ってはいけない
- かがんで歩いてしまう
- 1週間後に通院し完治を告げられる
胆嚢摘出後の下痢について
- 胆嚢摘出すると下痢が増えるという噂
- 自分は下痢にはならなかった
- 飲み会の次の日は下痢
胆嚢炎完治半年後・1年後の生活
- 痛みや違和感は全く無し
- ふつうに食ってる
- 体重キープ
胆嚢炎を体験して考えたこと
最初は名前もしらなかった胆嚢炎。
看護師さんに「大きな病気じゃなくて安心しました」と話し、「大きな病気ですよ!」と言われた胆嚢炎。
もしかしたら命を失っていたかもしれないこの体験は、自分の人生観にもそれなりの影響を与えてくれました。
恐らく胆嚢炎の原因。太りすぎは命に関わる
胆嚢炎の発症リスクの一つに「太りすぎ」があります。
自分は胆嚢炎を発症するまで100㎏程度の肥満体でした。よって発症の原因は明らかです。
胆嚢炎を発症するまでは「いつか痩せなきゃな」程度にしか考えていなかった肥満。それが死の近くに一度身を置いたことで、「絶対に太ってはいけない」という認識に変わりました。
もしも過去の自分にメールを1通送れるとするならば、最初の1行は「今すぐやせなさい。死ぬよ?」とでっかく書きたいですね。
結婚のありがたみ
激痛で部屋を転げまわった時、救急車を呼んでくれたのは嫁でした。入院生活の道具を準備してくれたのも嫁でした。
インターネットの海を見渡せば、結婚のメリットデメリットについての情報が無数に出てくる世の中ですが、自分は結婚していて良かったと思っています。
結婚は互いの心身の弱りを助け合うことができます。
友人はいつか離れる時がくる。
仕事仲間もいつかは別の道を歩む時がくる。
しかし、家族はよほどのことがない限り最後まで同じ人生を歩きます。
余談になりますが、胆嚢炎を発症したその年に自分は別の理由で仕事を辞めました。
その時に大きな判断基準となったのは「家族を優先しよう」という考えでした。
胆嚢炎治療の体験から得た価値観です。
読みやすい胆嚢炎体験談の必要性
入院中、胆嚢炎について何度も何度も検索しました。
少しでも不安を消したかった。
この先どんな場面でどんな痛みがあるのか知りたかった。
完治後どのようなハンデを背負うことになるのか知りたかった。
そんな切実な思いをもって隅から隅までWEBの情報を漁り、自分の知りたいことが見つかるたびに少しずつ安心を得ることができました。
しかし、検索する中で一つ困ったことがありました。
WEB上には病院が発信する「胆嚢炎治療の概要」はある。
でも、胆嚢炎治療の体験を読みやすくまとめたサイトはどこにも無かったんです。
自分が知りたかったのは「胆嚢炎治療でこの先どんなことが起きるのか」という展望でした。
が、それを日記から得るのは可能ではあるもののすごく手間がかかるんです。
当時、自分はまだこのようなWebサイトを作ってはいませんでした。
そんな自分が全くの初心者から手探りで作ったのがこの胆嚢炎体験談シリーズです。Web制作に強い嫁のスキルを参考に頑張ってみました。
今もときどき胆嚢炎患者の方からメールが届きます。
少しでも役に立てているようでうれしいです。
健康第一
健康が一番ですね。
とは言っても人間いつかは健康ではなくなります。
年齢を重ねるごとに、どうしても病気やケガと付き合う機会は増えていくのでしょう。
ならば若いうちに好きなように生きておきたい。
胆嚢炎体験を通して、結構自分勝手な人間になったと自分でも思っています。
周りに気を使うよりも、体が動く間に楽しいことを色々やっておきたい。
その方が良いと思うんです。