「あの子は地頭がいい」
「あまり勉強しないのにテストが良い?地頭がいいのねぇ」
子育てをしていると何かと耳に入ってくる「地頭(じあたま)」という言葉。
goo辞書でその意味について調べてみたところ、
大学などでの教育で与えられたのでない、その人本来の頭のよさ
引用元:goo辞書
という説明がなされていました。
その人本来の頭の良さとなると、地頭とは持って生まれた才能、我が子の地頭を伸ばすことはできないのかと悲観してしまいそうになります。
でも大丈夫。
地頭本来の意味とは違うかもしれませんが、子どもの学力の根っこになる部分を親が伸ばしてあげることは十分に可能です。
このページでは、幼い子どもが将来満足な学力を身につけられるようになる生活習慣、そしてその生活習慣を確実に身につけさせることができる方法を解説します。
子どもに読書習慣を身につけさせる確実な方法
読書の習慣を身につけさせる方法、それは【親自身が読書している姿を我が子に見せること】です。
子供は親の姿を真似る
子供は親を真似て育ちます。
話し方や仕草、癖、習慣など、親を常々観察し、真似されるこちらが恐ろしくなるほどそっくりに真似していきます。
それが仮に使ってほしくない言葉ややってほしくない行動だったとしても、親がその行動を取っている限り子どもは真似します。どんなに強く言い聞かせようと、子がその行動をとることを止めることはできません。
「子どもの言葉が乱暴で困る」と言っている親は大体が自分自身も乱暴な言葉を使っています。そんなものです。
よく小学校で、担任の性格にその学級の子ども達が似ていくという話がありますが、それも同じことですね。小学校の先生が立ち振る舞いに気を配らなければならない理由はそこにあります。
親が読書する姿を子供に見せる
子どもに読書をさせたいのならば、親が読書すればいいのです。
別に子供向けの本を読む必要はなく、自分の仕事に関わる本でも物語でも、何ならマンガや図鑑でも構いません。
「本」の形をしたものを手にもって、ページをめくりつつ中身を見る。
この姿を見せることさえできればそれで成功です。
あとは子どもの手の届くところにわかりやすい絵本を置いておきましょう。
いつの間にか自分で本を開いてページをめくったりカバーを外したりページを破ったりするようになります。
芦田愛菜ちゃんが多忙の中で有名中学に合格した理由
芦田愛菜ちゃんが某有名中学の入試に受かり、見事進学しました。
子役として多忙な日々を送る一方で、決して勉強も疎かにしなかった。
親が鬼になって勉強をさせるだけではこうはなりません。それができるのなら、この国の子供達は全員100点連発です。
ではどうして愛菜ちゃんは役者と勉強を両立できたのでしょうか。
愛菜ちゃん曰く、「2歳の頃から自分で本を読んでいたからだってお母さんが言ってた」とのこと。
赤ちゃんの頃から【本をめくる遊び】をさせていると、物心ついた時に自然と本を読むようになる
と、お母さんから聞いた芦田家の子育て体験を愛菜ちゃん本人が語っていました。
このことから、幼い子供にできるだけ早い時期から読書の習慣を身につけさせることは、後の学力に大きく影響すると言えます。
自分は以前長いこと小学校教員をやっていましたが、勉強に対する「カン」が鋭いお子さんは、やはりかなり高い比率で読書好きな子が多かったです。
読書はスマホやタブレットの電子書籍でもいいの?
だめです。
通勤途中や職場の休憩時間に読むのであれば電子書籍は最高の読書手段です。
が、子どもに読書の姿を見せることを目的に本を読むのであれば、電子書籍ではなく紙媒体の本を読んでください。
理由は単純で、親がスマホで読書していても、見ている子どもはそれが読書なのかどうかがわかりにくいんです。
小学生や中学生ならまだ理解もあるでしょうが、今お話ししているのは1歳児や2歳児といった発達段階の子どもへの習慣作り。理解させるのには無理があります。
スマホやタブレットでの読書を見ていた赤ちゃんや幼児が次にとる行動が何か?
当然スマホやタブレットをいじり倒します。
結果、子どもに身に付いたのは「スマホタブレットをいじる」という習慣。
その習慣=読書とはなりませんよね。一歩間違えば1日中スマホゲームやYouTubeを見続ける子どもになってしまいます。
スマホ習慣の先に待っているもの
乳児や幼児に積極的にスマホをいじってほしい!と願う人はあまりいないと思います。
育児とスマホというテーマについては賛否両論様々な意見が飛び交っていますが、1歳児2歳児にスマホ中毒になってほしい!と願う親はいません。
スマホ育児に対する世間の回答は、【仕方なく使わせているor使わせないようにしている】の二択です。
【ぜひ使わせたい!】を含めた三択ではありません。
害があるのはわかっている。
でもスマホを利用することで少しでも子育てが楽になるのなら…
というのが仕方なく使わせている人達の論でしょう。
実際、筆者も時としてそう考えることがあります。
スマホが普及して10年近くが経ちました。
小学生中学生のスマホ使用時間と学力の関係について、教員向けの研修にも保護者向けの講演にも調査の結果が届くようになってきました。
その結論は決まって「スマホの多用は学力や生活習慣にネガティブな影響を与える」というもの。
もちろん短絡的に「スマホは悪!」と言い切るのは乱暴です。
ですが、物心ついた頃からスマホを無節操に触り続けた子が小学生中学生になったときに、その使用を我慢して勉強に向かえるでしょうか?
実際、小学校高学年担任の先生や中学校の先生方は、子ども達の長時間にわたるスマホ使用に頭を抱えています。
大人が読書する姿を見せることが子供の読書習慣を育てる
- 幼児期の読書習慣は学齢期の学力の根っこになってくれる
- 幼児の読書習慣は親が読書する姿を真似することで作られる
- スマホ多用が習慣づいてしまうと学齢期の学習や生活に悪影響がある
タブレット片手に「お父さんは今読書しているんだよ」と言ったところで、赤ちゃんや幼児にはまず通じないでしょう。
親自身が紙の本をめくる姿を見せ、それをお子さんが真似することで幼児期の読書習慣は身につきます。
とりあえず自分用の本と子供向けの絵本を1冊ずつ買ってきて、親が読書しつつ絵本を床にさりげなく置いてみてはいかがでしょうか。