ゼルダの伝説BotW風と水の神獣を終えたとこまで感想【ネタバレ】

毛嫌いしてたゼルダBotW。初プレイを30分で投げた後、あちこちで名作名作言われているのをずっと目にしていました。

最近新しいゲームも買ってないしと出来心で再プレイしたところ良い感じにハマってきたので、ここまでの感想を書き出します。

シナリオと舞台設定の良さ

ゼルダBotWをプレイしていて、途中で気づいたことがあります。

プレイした感覚がFF10と似ているんですよ。

思い出したのはFF10

大昔にFF10をプレイした時、それはそれは感動したものです。何も知らない世界に放り出されたティーダ。誰も自分のことを知らないティーダ。何か言えば無知扱いされるティーダ。

FF10は、スピラという世界を何も知らないプレイヤーが、スピラという世界を何も知らないティーダを動かすゲームでした。プレイヤーはティーダを通して、あの初めて見る世界を一つ一つ理解していくように歩いていったのです。

ティーダはまさにプレイヤーの分身でした。FFシリーズは基本的にキャラ達の群像劇をプレイヤーが神様視点から眺める形で楽しむもの。ところが10は主人公=プレイヤーの色が強い、どことなくドラクエ的な楽しみ方のできるゲームでした。

 

似ている。

そんなFF10っぽさをゼルダBotWから感じました。

ティーダと同様、リンクもまた何も分からない状態から行動を始めます。祠の中で起き上がるリンク。なぜ寝ていたのか説明は無し。外に出るリンク。プレイヤーは当然ここが何の世界なのかは知らないし、どこへ行けば良いかもわからない。

とりあえずちょっと歩いてみると、ナビゲート役のおじいさんが現れ話しかけてきます。すると重要な事実がひとつ判明。リンクは記憶がないらしいのです。

この世界をさまよっていたのはプレイヤーだけじゃない。操作していたリンクもまたプレイヤー同様さまよっていた。プレイヤーとリンクがシンクロした瞬間でした。

その後も、失った記憶を辿るようにシナリオを進めていくリンクとプレイヤー。ああ、この感覚はFF10で感じたものだ。この世界を知らないのは主人公とプレイヤーの2人だけなんだという感覚。とても好きな体験です。

 

世界にひとりぼっち

FF10とゼルダBotWには決定的な違いがあります。孤独感です。

FF10のティーダは新人ガードとして、ベテランのお兄様お姉様おじ様ツノなし達に金魚のフン的についていく流れでした。彼らについて行けば良いので冒険は一本道。知らないことがあったら「何それ!?」と聞けば仲間がすぐに答えてくれる。

もちろん本当の自分をわかってもらえない圧倒的孤独感はあったのでしょうが、とりあえずは安心感も帰属意識も満たされていた。というのがティーダの冒険でした。

 

一方でゼルダBotWのリンクは悲惨。物語を進めていくにつれて、この世界が「自分が生きていた時代の100年後」であることが判明。浦島太郎です。

ハイラルの世界に住む知的生命体の中には亜人が結構いて、長命な種族は100年前のリンクを憶えていたりもします。が、当のリンクが記憶を失っているので感動の再会とはならず。

更には、100年前に肩を並べて戦ったはずの特別仲の良かった4人の仲間は、全員敵に殺されていたことがわかります。4人にゆかりのある土地へたどり着いた時、リンクは断片的に記憶を思い出します。ライバル関係だったキザったらしいリト族のエース。恋愛関係だったんじゃないかなぁと思わせるゾーラ族の姫。

せっかく思い出した貴重な記憶。でも当の相手は100年前に戦死している。自分だけが100年間祠の中で眠り、その間に国は滅びていた。荒廃した100年後の世界を1人で歩くリンク。ティーダとは似ても似つかない孤独感です。

 

テーマ性のあるBGM

そんなわけで、自分が感じたゼルダBotWのテーマは孤独。このゲームのBGMはその孤独感をいい感じに演出してくれます。

孤独を演出

1人で草原を走っていると、なんとまぁBGMが無音なんです。聞こえてくるのは草を踏む音、風が吹く音。それだけ。孤独を表すのにこれ以上の表現はありません。

遺跡を見つけた時、集落を見つけた時、リンクの感情に合わせるかのようにBGMが流れます。ですがそれも穏やかな曲がメイン。少ない音数で聴こえるか聴こえないか程度のささやかさで音楽が鳴ります。

ああ、孤独だなぁ。そう感じさせる曲のオンパレード。冒険の前半はそんな感じで進みます。ひたすら世界にひとりぼっち。

 

100年前の親友との再会

中盤、BGMが一気に主張を始めました。100年前の大親友、4人の英傑のゆかりの村に着いた時です。ゾーラの国。リト族の村。どちらもはっきりとBGMが主張してきました。

さらに感情を揺らしてきたのが、その場所でリンクが英傑との記憶を思い出した場面。回想シーンで流れる英傑のテーマは、リンクの感情の大きな揺れを感じます。

英傑との思い出、神獣内でのカースガノン戦、カースガノン撃破後の英傑の魂との再会。この辺のBGMはプレイヤーも感情を揺さぶられて涙すら出てきます。いやぁ良いゲームですよほんと。システム周りで不満はいろいろありますが、そんなのかき消される良さです。

 

リーバルが良い

まだ風と水の神獣しかやってないのでリーバルとミファしか語れません。特にリーバルが良かった。

キザったらしい鳥で、いかにもスターフォックスのファルコな感じのイケメンイケ鳥のリーバル。ですが、初めて姿を見せる場面となる回想シーンから、すでにBGMは主張します。

こいつは本当は優しい鳥なんだぞと。

リーバルのテーマ曲、のどかで穏やかなんですよね。勇ましくも優しい感じ。そんなBGMが流れる中で俺様リーバル様なセリフを喋るもんだから、見てるこっちはニヤニヤするわけです。ああ、こいつはテンプレツンデレなんだろうなと。

神獣内部の探索では声だけでできる範囲の協力をしてくれるリーバル。その後、カースガノンが出現すると、いよいよ核心に迫ります。「僕はそいつにやられちゃってね。敵討ち、頼んだよ」という趣旨のセリフをリンクにいきなり投げかけてくるんです。

回想シーンから始まったリーバルとの記憶の埋め合い、その終着点で判明したのがこれですよ。もう全力でカースガノンと戦うしかないです。

で、無事に倒したところでいよいよ現れたリーバルの魂。100年ぶりに目覚めたリンクにとって、当時の姿のままで現れたリーバルは、初めて本心で話せた相手だったんじゃないかな?100年ぶりの会話だったんじゃないかなって気がします。

何気ない会話を演じるリーバルですが、何気ない会話なわけないんですよね。そこには100年の時が流れているので。そこもまた、セリフの裏に滲み出るリンクとリーバルの心境をBGMと声優さんが良い感じに表現してくれていました。

いやぁ、良いゲームですよゼルダBotW。シナリオの大前提として設定されている「100年」「記憶喪失」という2つの要素が、何もかもを奥深いものにしてくれています。多くを語らないゲームですが、その分こちらに色々と妄想させてくれる。

心が折れる前にゲームを進めてしまおう

使っている武器が折れるたび、心も折れます。

ボスの攻撃で理不尽に体力を削られるたび、やる気を無くします。(このゲームが弓ゲーだと気付いてしまえば思いっきりラクになりますが)

新しく見つけた祠がジャイロ祠だと気付いた時、心が崩壊します。(←これが一番つらい)

なので…

寄り道もいいんですが、早いとこシナリオを味わい尽くしてしまうのがこのゲームとの付き合い方なのかもなぁと、神獣2体クリアした今は思ってます。

本当に素晴らしいゲームなので、シナリオに触れて心が高揚しているうちに次へ進んでしまうのが吉かなぁと。

さ、早く次の神獣のところへ行ってしまおう。

 

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