小学校教員の服装はスーツ?ジーンズやジャージはあり?元教員が語る

小学校教員は仕事中にどんな服装で過ごせばいいの!?

今度小学校教員になるんだけど、どんな服装を準備すればいいの!?

こんな感じでうろたえていた、22歳の頃の自分に向けて語ってみます。

 

小学校教員の服装って案外悩むんですよね。

人によって着ている服はまちまち。なのにミスるとやたら怒られる。

特に若手教員の時は管理職がやたら狙い定めて指導してきます。

「同じ服装をそこのベテランも着てんじゃん!」

なんて思うんですが、口には出せず。まぁ仕方ないですね。

 

期待させておいてアレですが、教員の服装という悩みについて、自分からはっきりと答えを出すことはできません

というのも小学校教員の服装の正解って、土地や人によってかなり違いがあるんですよ。

実際は肌で感じて慣れていくほかないんじゃないかなと思います。

 

というわけで、この後に長々と書かれている内容はすべて正解ではなく体験談

自分が12年間の小学校教員生活の中でそれこそ肌で感じた小学校教員の服装事情です。

 

加えて、それらに対する自分の考えもちょっとだけ書き加えてあります。

小学校教員の服装がなかなか定まらない理由

中学校教員はスーツが多い。理由は生徒が制服だから

中学校教員の場合、ここまで仕事中の服装が問題になることはないみたいです。

飲み会で中学校組の若手教員から聞いたんですが、服装で怒られたことも悩んだことも無いんだそうな。

 

中学校の先生って服にスーツを選ぶ理由がはっきりあるんですよ。

「生徒が制服だから俺らもスーツ」

これです。

確かに言われてみればそうですね。

もちろん実際には色んな先生がいるんですが、中学校の先生は小学校の先生に比べるとスーツの人がやたら多かったです。

 

小学校は色々な授業がある。着替えもしにくい

小学校教員の場合、多くの人が学級担任をもちます。そうなるとほぼ全ての教科を自分でやることになるんですね。

その中には当然体育もあります。普段スーツで過ごそうとしても、体育の時は流石にジャージです。

授業の合間に着替えるのは、校舎の間取りにもよりますがかなりキツかったりします。

 

他にも子供と一緒にグラウンドで砂にまみれて遊んだりもしますから、スーツ人口が少ないのもわかる気がします。

その一方で、「スーツが基本!」と考える先生方もやっぱりいるわけで、その辺から色々ゴタゴタがあったりしたことも何度も目にしました。

つくづく難しい世界です。

 

小学校教員の服装「日常の学校生活」編

具体的にどんな服を着ている先生がいるのか、自分が目にしてきたものをジャンル分けしてみました。

小学校教員の日常の服装のパターン

チノパン&ワイシャツ

たぶん多数派なんじゃないかと。自分もこれでした。

北海道生活だったので、冬は上をトレーナーやパーカーにすることが多かったです。

 

年中ジャージ

わりと多いです。

休み時間に子どもと全力で遊べますね。

下がジャージで上がTシャツなんてパターンが多め。

 

年中スーツ

TOSS系の先生に多いスタイルです。次の項で詳しく説明します。

他では管理職の先生方もほとんどこれ。暑そう。

 

Tシャツハーパン(禁止の場合あり)

若い先生にわりといます。あとおばちゃん先生も何故かこれが多い。

ちなみに自分が勤務した学校では8校中5校がこれ駄目でした。ハーパン禁止です。

すね毛見せるなってのが理由。土地によります。

 

ジーンズ(禁止の場合あり)

これが許されていたのは8校中2校。どちらも都会の大規模校です。

田舎で3校回ったあと初めて都会で勤務したときに驚いたのがこれ。

「え!?いいんですか!?」って感じです。

 

自分はどうしても違和感があったのでジーンズは履きませんでした。

特に根拠は無いんですけどね。

 

その他

タンクトップが1人いました。

常に筋トレをしている50代後半のマッチョな先生でした。

 

あとはすごいゴージャスなおしゃれ着の女の先生。

こちらは50代前半の先生でした。

 

年とると色々自由になるんでしょうかね。

 

雑誌で見た「法則化の先生はいつもスーツ!」と言う一文

「法則化の先生はいつもスーツを着ていてかっこいい!」

どの本かは覚えていませんが、TOSS系の本にこういう記述があったのをはっきりと覚えています。

一時期教員の服装に悩んだ自分にとって、目に入ったこのキャッチフレーズはあまりに刺激的でしたから。

 

TOSS界隈では「プロ」という言葉をよく使います。

スーツを着るということは職業人としての決意、子どもに対してプロフェッショナルとして向き合う証だという考え方です。

実際、TOSSのセミナーによく行かれていた先生は常にスーツで授業や生活指導をしていました。

体育の時だけ急いで着替える感じです。

 

TOSS系の本はよれよれズボンや一日ジャージに対して手厳しい

TOSS系の本を手にしたことのある方はご存知かと思いますが、TOSSの思想は非TOSS、とりわけ問題解決学習に対する批判を強烈に行います。

「不勉強な教師ほど子どもを怒鳴る、傷つける」として厳しく批判しています。

不勉強な教師が子どもを傷つけるということついては、自分も一部賛同しています。

 

さて、その批判の対象の一つに「だめな教師は服にこだわらない」というものがありました。

よれよれのズボンや一日中ジャージをはいて授業をする教師は子どもに対する誠実さに欠けるという論調です。

 

実際よれよれズボンや年中ジャージという先生は相当数います。

そしてその中には怒鳴り先生もいれば良い先生もいます。

 

教員の服装=スーツは正解なのか?

自分の考えを話せば、スーツが「常に」正しいとはどうしても思えません。

要は「スーツを着ることが子ども達に良い影響を与えるかどうか」だと思うんです。

 

時にはスーツが正解である場合もあるでしょう。

でも、スーツが正解ではない場合もあると思います。

 

小学校教員の服装「式典行事編」

日常とは違い、式典行事では多くの先生がスーツを着ます。

では式典行事とは一体どこまでのことを指すのでしょうか?

入学卒業だけ?

それとも終業式も式典行事?

この項ではその辺を説明というか持論展開させてください。

 

式典行事の服装はスーツを着る教員がほとんど

入学式と卒業式は否応が無しにスーツ。

では始業式は?終業式は?

 

これはスーツを着るように自分は教わりました。

理由は「式典行事」だからです。

[chat face=”man1″ name=”年配の同僚” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]入学式にスーツを着るのはわかるよね?

ならば同じ式典である終業式でもスーツを着るものだと思うよ?[/chat]

妙に納得したので自分はそれ以来、式典行事と思わしき時間はスーツを着るようにしています。

 

2学期制の学校が夏休みに入る時はスーツ?

式典行事=スーツ

その考えでいった場合、2学期制の夏休みはとてもややこしい。

何故なら2学期制の場合は夏休み前の全校集会は「終業式」とは呼ばないので。

まだ前期は続いているので終業しちゃいけないんですね。

 

なので、

2学期制の学校の場合、夏休み前の集会ではスーツは着ない!

わけのわからないこだわりレベルの話になってきましたが、自分はそうしていました。

まぁ結局のところ、式典行事の服装も人それぞれなのかなと思います。

 

小学校教員の服装「靴編」

服装には当然靴も含まれます。

さてさて、これについては持論がはっきりあるので話しますね。

 

小学校の先生は運動靴!外履きも上履きも。

外靴は運動靴。校舎内の上履きも運動靴。

これはマストだと思います。

子供の安全管理という最優先事項を常に達成するためです。

 

例えば外靴を革靴にした場合。

それで満足に走れますか?

 

校舎内の上履きにサンダルを履く年配教員もいます。

それで走れますか!?

 

不審者が校舎内に侵入した時。

子供が取り乱して突っ走って逃げちゃった時。

走って安全確保に努めるのが教員の仕事だと思います。

 

革靴をはく小学校教員は優先順位を間違えている

革靴やサンダルの人は安全確保という教員最大の使命を放棄している

そう思うんです。

 

これは誰に聞いたわけでもない個人的な考えでしかありません。

自分はたとえ偉い人が学校に来る日でスーツ着用を強制された場合も、靴だけは断固として運動靴でした

 

小学校教員の服装「偉い人が来るとき編」

県の教育委員会とか、自治体の教育委員さんとか、その辺ですね。

こういう方々の視察が学校にはあるのですが、その前日になると管理職が言います。

 

「明日は〇〇様がいらっしゃるので社会人としてふさわしい服装で授業に臨んでください」

 

んー、ちょっとよくわからない。

学校って誰のためのもの?

子供にとって親しみやすいイメージを考えた結果カジュアル系の服装を選んだとして、それは社会人として自分の職責を果たしたことにならないのかな?

この辺、学校の抱える多くの矛盾の一つだと思います。

 

まぁ、怒られたくなければスーツですね。

信用できる先輩教員を見つけて意見をうかがっておくと良いでしょう。

 

小学校教員の服装に関わる印象的なエピソード

新1年生の就学時検診。スーツをわざと着なかった中堅教員

授業参観の日、教員は大体の場合スーツを着ていることと思います。

基本的に、親の目に触れる時はスーツなんですね。

偉い人(何が偉いのか知らんけど)が来るときもやはりスーツ。

普段スーツを着ない先生方も、そういう特別なケースでは仕方なくスーツを着ています。

 

さてここでスーツに関わる印象的な話を一つ紹介。

その日は新一年生が就学時健診を受けに学校を訪れる日でした。

就学時健診とは、まだ小学校入学前の子供達が健康診断や知能検査を受ける日です。同時に保護者に対する学校からの説明もあったりします。

就学時健診は自分が知る限り学校の職員がスタッフとして一部始終を担当します。(大きい学校では違うのかもしれませんね)

 

その中で、知能検査の担当になった同年代の同僚が、スーツではなくチノパンにトレーナーという服装で子供達を迎えていました。

他の全職員がスーツで業務をこなしているなか、彼の服装はとても異質な存在でした。

 

「小さい子ってさ!スーツ着てる人見ると怖がっちゃうじゃん!」

就学時健診終了後、自分は興味があってその同僚に聞いてみました。

[chat face=”img_2663-e1528958056997.jpg” name=”タビ” align=”left” border=”glay” bg=”glay” style=”maru”]スーツじゃないんだね。何か意図していることがあったの?[/chat]

[chat face=”man1″ name=”同僚” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]タビちゃ~ん!タビちゃんなら聞いてくれると思ったよ!小さい子ってさ!スーツ着てる人見ると怖がっちゃうじゃん!だからスーツはやめることにしてみたんだよ![/chat]

 

衝撃でした。

彼の眼には子供の姿しか映っていませんでした

初めての学校、初めての机でのお勉強、初めて出会う先生、男の先生、

この日の新一年生達がどれほどの不安要素を抱えて知能検査を受けに来たのか。

彼はその一点だけを見て適切に対応したんです。

 

小学校教員の服装は目の前の子どものために

この日、自分達がスーツを着たのは一体誰のためだったんだろう?

彼は胸を張って「子どものため!」と言い切りました。

じゃあ自分は?着なければならないと思って仕方なく着たスーツ。これは誰のため?

 

小学校の教員がどんな服装で仕事をするか。

その答えはここにあると思います。

TPOをわきまえた服装とは言いますが、

教員にとってのTPOとは目の前の子どもに対応することではないでしょうか。

 

まとめ「自分が子供たちからどう見られたいか」

教員の服装については、まじめに考え出すとすごく哲学的な話になります。

学校は誰のための場所なのか

教員は誰のための存在なのか

といった具合に。

 

小学校教員の世界には服装について色々な考え方が飛び回っていますが、

自分としてはスーツの着用は最低限にしていました。

子供にとって話しやすい存在でありたいと思っていたので。

 

自分が子ども達からどう見られたいか。

その辺から逆算して服を決めればいいんじゃないかなと思います。

 

社会人としてのマナー?

どうでもいいですそんなの。

 

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記事中に出てきたTOSSに関する本。駆け出し教員が最初に読む一冊として。

どうぶつしょうぎ。将棋を簡単にしたもの。誰でもあっという間にルールを覚えられます。低学年から高学年まで。教室文化、将棋へのステップアップとして。

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