逃げログ
元小学校教員12年。今はWebライター。
教育時事・思想

小学校教員の労働環境はただ人員を増やせば改善するというものではない

教員を増やすとそれで労働環境は改善するのでしょうか?

自分はそうは思いません。

担任は増えず、担任外が増える

1学級40人という法の括りが変わらない限り、特殊な例を除けば担任の人数は変わりません。

増えるのは専科教員やTT(ティームティーチング)要員です。

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専科教員に見る教員の労働環境の未来

専科教員が増えることには賛成です。

専科とは、複数の学級の特定の教科を責任もって受け持つ教員です。よくあるのは音楽や理科など、特殊技能が必要だったり授業準備に時間がかかる教科ですね。

専科の教員が授業をしている間、学級担任は職員室へ戻り溜まっている事務作業や雑務を片付けることができます。

専科がもっと増えて一般化すれば、専科の授業に合わせて担任が「休憩時間」を取ることができるようになるのではないかとも考えます。

現状、小学校教員は「休憩時間」を意識しない働き方をしています。このことから自分は専科教員が増えることには賛成の意見をもっています。

 

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TT(ティームティーチング)の功罪

次にTT(ティームティーチング)について。

自分はTTに対しては否定的な考えです。

TTとは一つの授業に複数名の教員が入り、前に立って授業を進めるT1と後方で児童のサポートに回るT2という形で授業を進めていく授業形態です。担任がT1、TT専用の教員がT2という形が多いですが、その辺は様々な工夫が考えられています。

一見、児童の困りを的確に拾うことができるようになり効果的に思えますが、これには一つ大きな落とし穴があります。

それはまさに「複数名」であること。

教育に限らず、ビジネスとは伝言ゲームです。組織の人数が増えれば増えるほど伝言ゲームの発生数は増え、それが意思決定や円滑な作業進行を妨げます。

授業も同じ。授業者が複数名になった時点で、そこには「事前の相談」という業務が新しく発生します。TTは基本的に複数の教室にまたがって仕事をするため、他の学級と時間割がぶつからないよう調整するという業務も生まれます。

更に言えば、TT授業には研究性、提案性も求められます。「せっかく予算を組んでTTを配置したのだから、TTという存在を活用、工夫して結果を数字で出さなければならない」と、偉い人達から声がかかるようになります。ほら、また仕事が増えました。

TT指導報告なんてものもあります。誰がいつどこでどんな授業をしたのかを1時間1時間丁寧に報告書に仕上げて提出しなければなりません。

TTの運用によって職員室には一気に膨大な業務が生まれることになります

 

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要は増員された教員をいかに配置するか

担任の負担を減らす専科と新しい負担を増やすTT。教員の人数を増やすという点では同じですが、労働環境という視点で見た時、得られる結果は正反対のものとなるわけです。

TTは学力向上に対しては工夫次第で効果を期待できる体制です。ですが、同時に教員に新たな負担を強いる体制でもあります。

要はバランス。与えられた人員をどのように生かすかです。学力向上だけを合言葉に突進するのではなく、学力向上・労働環境・児童のゆとり・地域貢献など、様々な要素をいかにバランスよく向上できるかが肝心なのではと思います。