正採用教員退職前の記事

発達障害への配慮は全ての児童への配慮でもある

発達障害、特別支援教育に対する理解は少しずつ進んできています。

Googleで検索をかけてみても、発達障害傾向の強い児童、診断もちの児童に対する効果的な指導法が多く見つかるようになりました。

その一つになれるよう、このブログでも自分にできる範囲で指導法について考察しています。

 

今回話すのはいわゆる「定型発達者」と発達障害向け指導の関わりについて。

発達障害に対する知識は全ての教育関係者が理解する必要があると自分は思います。

なぜなら、通常の学級で学ぶ定型発達の子達にとっても、発達障害に配慮した指導は効果的だからです。

入力の好みは視覚か聴覚か?ニュースを例に考える

自分は子どもの発達について説明する時、よくテレビのニュースを例に出します。

ニュースから情報を得ようと思ったとき、

  • アナウンサーの語り
  • 表示されるテロップ(文字)

どちらに注目しますかという話です。

 

これ、結構分かれるんですよ。

ちなみに自分はテロップ派です。

アナウンサーの語りは正直BGM程度にしか気にしていません。

 

教室で勉強している子ども達も当然アナウンサー派とテロップ派がいます。

全員です。

 

その中で「発達障害傾向が強い」というのは、アナウンサーの語りが全く頭に入ってこなかったり、テロップが歪んで全然読めないなど、情報の受け取りの得意不得意が極端に偏っている状態と言えます。

 

小学校の授業は音声による指示説明が多くなりやすい

小学校の授業というと、先生が説明や指示をして子ども達がそれを受けて何らかの思考や判断、行動をしていくというイメージがあると思います。

 

その先生の姿を改めてイメージしてみてください。

先生は文字で説明していますか?それとも声に出して説明していますか?

 

声ですよね。

少しずつ変わってきてはいますが、今も基本的には声での説明が多くを占めていると思います。

 

発達障害傾向の強い子が授業で困る理由の一つが、このミスマッチです。

視覚での理解に長けた子が声での説明だけを受けてしまうと、説明が全く受け取れず何をしていいかわからなくなります。

 

そこで、声だけの説明にならないように、最近は視覚に訴える様々な工夫がなされているわけです。

 

声と視覚のバランスに配慮した指導は定型発達の子も救う

学級内の全ての児童は視覚寄りと聴覚寄りに分かれる

全ての児童はアナウンサー派とテロップ派に分かれると言いました。

仮に、こんな感じで視覚寄りの子と聴覚寄りの子が分布しているとしましょう。

見事に拙い図解ですが勘弁してください。

両端にいるのが極端な得意不得意をもった発達障害傾向の強い子達。

他の子達も「どちらかというと聴覚」「どちらかというと視覚」といった感じで分布しています。

 

声のみの指示説明をした時に起きること

ではこの学級で「声のみの説明」をしてみます。

青い枠で囲まれた子達は満足に説明を受けることができています。

視覚優位の左端の子は当然学習どころじゃないレベルで困っています。

 

そして見てほしいのが実はちょっと困っているという二人の子。

なんとか説明を聞きとって苦労しながら授業に参加しているんです。

今回の記事で一番お伝えしたかったのがこのゾーンにいる定型発達の子達の存在です。

 

声と視覚の指示説明を同時に行う場合

次に声の説明と視覚の説明を同時に行ってみます

当然こうなる。

さっきクローズアップした二人の子も楽に説明を受けられるようになりました。

 

自分が全ての教育関係者に発達障害の理解が必要だと考える理由はここにあります。

発達障害傾向の強い子達へ配慮するということは、全ての児童も一緒にラクにしてあげられるということなんですよ。

 

発達障害への配慮は定型発達の児童も救う

発達障害に対する配慮は全ての児童への配慮でもあります。

発達障害児にとって楽な環境は、全ての児童にとっても楽な環境です。

 

全ての児童の学習意欲向上の面からも、

偉い人の大好きな数字の向上の面からも、

発達障害に対する配慮はもっともっと日常的に行われていってほしいなと自分は思います。