2018年5月27日読売オンライン記事より。
内容は公立学校の教室の冷房に関して。
文部科学省の定める学校環境衛生基準というものがあります。
その中の一つが「教室の望ましい室温は10度以上30度以下」というもの。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/1292482.htm
文部科学省[改訂版]学校環境衛生管理マニュアル 「学校環境衛生基準」の理論と実践
この基準が、1964年の基準策定以来初めて変更されました。
2018年4月2日付で全国の教育委員会へ通知されています。
変更前「10度以上30度以下」
変更後「17度以上28度以下」
これは良いニュースですね。
とは言っても思う所はあるわけで…
今日はその辺喋ってみようと思います。
なんで今まで50年以上変更されなかったの?
ちょっと冒頭の読売新聞記事を見てほしいんですが、
教室の室温を巡っては、「暑さ、寒さに耐えることを学ぶのも教育」との意見がある一方、「勉強に集中できない」「基準を理由に30度を超えないとエアコンを使わない学校がある」などの声も出ていた。
この部分に答えがある気がします。
“耐えることを学ぶのも教育”って、
そんなの教育でも何でもないですよ。
そういうこと言う人って、自分が学生の頃熱気に包まれた教室でロクに授業に集中できなかった記憶とかもう忘れちゃってるんでしょうかね。
「子ども達が授業に集中できるようにあれを取り組もうこれを取り組もう!」って一生懸命やってても、肝心の教室環境がそんな根性論で軽視されていては何の意味もありません。
発達障害傾向の強い子ども達のことも全く考えられていませんね。
汗で服と肌がくっつくのが嫌で一年中半そでで生活する子もいるんです。
教室には様々な感じ方をする子がいて、その子達を含め全ての子が教室で勉強に集中できるよう配慮する。それが大人の役目だと自分は思うんですけどね。
エアコンのある教室なんて見たことない
もう一つ気になったのがこれ。
自分は北海道の教員でしたが、都市部田舎関係なくエアコンのある教室なんてパソコン室以外ありませんでしたよ。いくら北海道が涼しいと言ったって、夏は普通に30度超えてくるんです。建物が熱を逃がさない造りになってるんで、むしろ北海道の夏はきついですよ。
更にもう一つ。自分の嫁は九州の出身なのですが、やはりエアコンのある教室は無かったそうです。これはもう土地の気候の問題ではないですね。
じゃあ何の問題か。
カネの問題です。
結局、エアコンを導入する資金が無いんですよ。エアコン導入済みの学校がある自治体というのはよほど財源に恵まれているか税金の使い方がうまい自治体なのだと思います。
こうなると政治の問題です。政治とは公平な裁判と公平な税制度を考える仕事ですから。
- 日本全体の経済を成長させ税収を増やし教育に回るお金を増やす
- 税収の中から教育に回るお金の割合を増やす
この二つを目指してくれる政治を求めていく必要があります。
実際、この国の抱える教育問題はある程度お金で解決できると思うんです。
結論
痛みから学ぶ教育とか耐えることを学ぶ教育とか、そういうのは暴論だと思います。
また、税収をどのように扱うかという点において、教育を考えるのであれば政治に関心をもっていく必要があります。
この記事を書いていて、教室にあまりにも風が通らなく風通しのいい廊下に子ども達を連れ移動してそこで授業の続きをしたことを思い出しました。
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