雪どけの進む田舎からこんにちは。
ツイッターを眺めていると、衝撃的なツイートが流れてきました。
こちらです。
今朝の読売の記事。奥さんからやべぇってメール来たけどガチでヤバい。
Q 若い教員が残業しない。働き方改革もあり指導できない
A 遠慮せず指導してよい。若い教師に「教師は天職」と感じてもらうために必要な指導だ。ブラックと思われようが手抜きは許されない。 pic.twitter.com/JaInfWuok2
— パンダ (@acappellapanda) 2018年2月28日
まとめるとこの通り。
- 悩める副校長の投書「遅くまで残る先輩と定時で帰る若手がいる」
- 有名校長の返答「たとえブラックと言われようが手抜きは許されない」
- 子どもに向き合う教師の責任は重い
- 教師が天職だという意識を若手にもってほしい
- 若手に仕事の喜びを感じさせるには成功させてほめればよい
まず始めに言わせてもらうと、自分はこの論に反対です。
定時を過ぎてもサービス残業をする教員は多く、実際教員にとって定時や休憩という概念はあってないようなものとなっています。
ですが、管理職がそれを扇動、促進するというのはあってはいけないと思うんです。
今日はこの話題について思うことを書き並べます。
学習指導や学級経営は仕事量の際限がない
教員の仕事には「ここまでやれば終わり」というような線引きがありません。
それは授業準備や学級経営は研究的な側面が強く、高めようと思えばどこまでも高めることができるからです。
「こうすればもっと子ども達が喜んでくれる」
「こうした方がわかりやすい授業ができるはず」
定時退勤時刻の16時半(学校によって若干違います)になっても教員が黙々と仕事を続ける理由の一つが、この教師本来の仕事である学習指導や学級経営がもつ「仕事の際限の無さ」という側面なのです。
実際自分も20代の頃は自分の学習指導や学級経営をもっと良いものにしようと夜遅くまで残って作業をしたり思考にふける毎日を送っていました。
もちろんそれは自発的にやっていたもので、管理職に指示されたものでも指導されたものでもありません。
管理職の仕事とは業務量の管理と組織づくり
管理職の手で実現して欲しいことがあります。
それは「全職員が帰ろうと思えば定時で帰れる組織づくり」です。
学校全体の抱える業務にムダがあればこれは叶いません。
また、ムダを徹底的に省いて業務量がスリム化されたところで、その業務が全職員に適切に割り振られていなければやはり全職員が定時に帰る組織作りは叶いません。
教員も人間です。若手ベテランを問わず、全ての教員がそれぞれの生活を抱えています。
現実問題、全ての職員が定時で帰るというのは難しいことかもしれませんが、目指そうとする意識はもつべき。
だからこそ管理職がサービス残業を促進扇動するようなことはあってはならないのです。
若手教員が教育技術を学ぼうとしないという問題については
教員の仕事はおおざっぱに分けると授業、学級経営、校務分掌です。
与えられた校務分掌を消化し、出席簿や学級会計、教室美化などの学級経営業務を終わらせ、翌日の授業で使う教材を準備する。
ここまでやれば、学校職員として最低限の業務はこなしたと言えます。
もちろん知識技術の少ない教員(あえて若い教員とは言いません)がこの最低限の業務だけで毎日を過ごしていると、いずれ授業か学級経営が破綻します。この二つについてはどこかで基本的な知識技術を学ばなければならないのです。
ではどのような時に教員は学ぼうとするのか。
それは「困ったとき」です。
- 授業が成立しない
- 授業は落ち着いているが子ども達がつまらなそう
- 学力が上がらない
- 保護者との関係がしっくりこない
- 子ども同士の喧嘩が絶えない
知識技術の不足する教員は必ずこのような問題に直面します。
その時に「困ったなぁ」と感じることができるかどうか。
困ったと感じれば勉強するだろうし、困ったという感情がわいてこなければその教員はそこまでです。
これについては当人の問題でしょう。教員だけでなく他の業種でも同じじゃありませんか?
資格取得の勉強、語学の勉強、ビジネススキルの勉強、それらは職場で上司に強制されるものではなく、プライベートの時間を利用して自主的に行うもの。
管理職がそこまで気にする問題ではないと思います。粛々と人事面から評価を下せばいいんです。
「そんな悠長なことを言っていても、手抜きをされ被害をうけるのは子ども達だ」
恐らくこんな反論があると思いますが、そこは割り切った方が良いと自分は思います。
子どもを案じるのは最前線の先生方に任せ、管理職はマネジメントに徹した方が結果的に良い組織を作れるのではないでしょうか。
適切に人事評価をされることで、若手教員の仕事に対する向き合い方も変わってくると思います。
若手教員のやる気は望ましい学校組織づくりから
冒頭のコラムからは管理職達が若手教員の未来を案じているということが伝わります。
しかし、残業や努力を求めるというアプローチはやはり間違っていると思うんです。
まずは働き方改革。職員全員の業務量を最適化し、定時退勤を望む教員が全員定時退勤できるような状態を作り出すことを望みます。
それによって余裕を得た職員同士には横のつながりが生まれます。
職員同士の何気ない会話の中で、授業技術や学級経営の学びにつながるような刺激も生まれるのではないでしょうか。
教員系の記事を別サイトへ移行します。趣味でやってるこのブログと仕事である教員を分けたい気分になったので。
noteという場所で毎日何かしら書いているので、よければそちらでお付き合いください。